時は過ぎ、すべては変化していく。
20年前は、毎日のように会っていた仲間たちも、それぞれ、それぞれの道に。
38歳の若さで、大学のときの仲間が死んだ。
心筋梗塞だった。
今日は、その弔問に行ってきた。
20年前、毎日のように会っていた仲間たちがたくさん集まった。
別れて進むそれぞれの道が、今日、ほんの短い時間だけど、交差した。
もちろん、集めたのは、あいつだ。
集まれば、愉快な気持ちになる。
懐かしい顔に、みな表情が綻ぶ。
いいのだろうか。と最初思っていた。
弔問。そのついでに、子どもたちと旅をして、楽しむこと。
遊びまくること。
仲間との再開が楽しみなこと。
いいのだろうか、と思った。
おれは。楽しんで。楽しんでいいのか?
あいつは、死んじまったのに。
でも、いいさ、と思う。
楽しいことをした仲間だ。
楽しかったからつながったのだ。
楽しかった。あいつもいつもそう言っていたそうだ。
楽しむぜ、おれは。
おまえが集めたのに、おまえがいなくて、それだけが残念だよ。
でも、きっと、そのへんで見てるんだろう?
過去は過去だ。
もう過ぎたものだ。
でもときにふと思う。
あの過去はまだ生きてるんじゃないかって。
今のおれともまた違う世界で、もうおれの手も届かないところで
あのころのおれは
あのころのおまえと
あのころのあの時間を
今も過ごしてるんじゃないだろうかって。
ずっとそこで遊べ。
過去のおれ、過去のおまえ。
で、この肉体、このおれには、やはり今しかない。
今、楽しむ。
楽しもう。今日も。明日も。
おやすみ。