今朝、職場でちょっとした騒ぎがあった。
この地域に住む、一人暮らしの高齢者(73歳)の方が運転する車が、職場付近でフラフラッと危険な蛇行運転。
そこに通りかかった地域の方が、車ごと職場の駐車場に保護してくれた。
高齢者の方は、病院に行くところで、運転中、意識はあったが視界が見えなくなってしまったそう。大きな事故にならず、本当によかった。
その後は、体調は悪くなく、意識もしっかりしていたので、救急ではなく警察に連絡し、パトカーで自宅までお帰りいただいた。
途中、本人と話していると、どうやら昔、自動車の営業をしていて、うちの祖父に車を売ったこともあるらしい。世間は狭い。
それはそれとして、高齢者による交通事故の報道がされた印象もあり、「事故をしてしまっては大変ですから、あまり運転されないほうがいいかもしれませんよ」と、声をかけると、「わかってはいるが、しかし独身で身よりもなく、自分で運転しないと通院もできない」と。
改めて、そうだよな・・・と思った。
「免許を返納したほうがいい」「事故したら大変」
そう言うのは簡単だけど、この方の生活はどうなる。
73年。生きてきて。
その中には子どもの時代もあっただろう。
青年の時代もあっただろう。
必死に働いた頃も。恋に悩んだ頃も。
そこで、今、この人の人生を生活を一顧もせず、「他の人に迷惑だから免許返納しな」と、俺には言えない。なんの、代わりの案もないのに。誰も、身寄りがいない生活なのに。
俺に何ができるだろうか。
警察の方と帰られてから、市役所の担当課に電話をした。
しかし、市は、高齢者の交通についての支援はないとのこと。
支援計画のうち、担当になるであろう支援センターの連絡先を聞き、連絡をした。
状況を伝え、支援の必要を説明すると、支援センターの具体的なアクションについて教えてくれた。動いてくれるそう。
俺にできるのはとりあえずここまでか。
本当にわずかだ。
でも、支援センターが動いてくれるということで、少し安心した。
普段、子どもや若い世代と関わる仕事をしているので、高齢社会について実感する機会があまりなかったが、今日は、考える日となった。
俺も、君も、いつか年を重ね、「高齢者」になる。
遊んで、恋をして、マンガを読んで、
仕事して、悩んで、ロックンロールを聴いて、その先に。
長生きできたら幸せだ。長生きできない人もいる。
で、長生きできたら、「高齢者」に。
これは、決定している、誰もがそうなる現実の未来。
「みんなが安心して楽しく暮らせる社会」…
言うほど簡単じゃ、ないんだろう。
しかし、俺は俺の力で、それを目指そうと思う。
だって、俺はそうあってほしいからだ。
俺と、君に。
30年後も。50年後も。100年後だって。