ユウシの作文

それでも 私は 文章をかくんだっ 自分が生きるために!!

チャーリー・ワッツと俺。

ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが亡くなった。
千葉真一に続いて、「おれが部屋にポスターを貼っている人」が立て続けに亡くなる。
ショックだ。
 
チャーリー・ワッツがどれだけ素晴らしいか、おれは完全にわかってる。
もちろんドラムプレイの技術や理屈に関しては、ほぼ全くわからんし、語れん。
ハイハット抜きとかレギュラーグリップとか知ってるよ?でもわかってはいない!
でもわかってる。完全にわかってる。
 
ストーンズがどんな曲をやろうと、それが「ストーンズだ」と感じる理由の内訳に、「チャーリーのドラム」が占める率は高いだろう。
どこを切ってもストーンズ。金太郎飴だ。
 
ストーンズがなんで世界最高のロックバンドなのか、理由は3つだと思ってる。
 
ひとつは、「おれが本能でそう感じてしまうから」という主観的な理由。
ひとつは、「今もずっとバンドをやっているから」。「続けている」という圧倒的事実の凄さ。「今やっているバンド」。「今」というデカさ。今いるんだぜ。過去じゃない。
そしてひとつは、「ダンスできるから」だ。
 
ビートルズなんてすぐやめちまった。ちょっとケンカしたくらいで。
ビートルズの美メロがいくら素晴らしくても、いや素晴らしいが、最高だが、でもな、踊るならビートルズより、そりゃ、ストーンズだろ??
 
ストーンズはメロディのバンドじゃない。ビートだ。
ロックは踊れてナンボじゃい。
ビートだろ。グルーヴだろ。
そして、それが「黒ければ」言う事なし。
 
そのビートを、グルーヴを、生むのはチャーリーだ。
チャーリーが常にリードしてる!
上手いとか下手とかではない。
「自分のもの」にしてるんだ。
チャーリーがぶれないから他のメンバーも軸から外れようがない。
 
結果、最高のダンスミュージックが生まれる。
四つ打ちのダンスじゃなくて、ほら、わかるでしょ。
 
おれは常々、「ストーンズで一番好きな曲はMidnight Rambler」「ストーンズ最高の年は1972」と主張してるんだけど
これ。
もう最高。このグルーヴ。
チャーリー以外も最高なんだけど今夜はドラムに多めに注目したとして
最高すぎないか?
5:30あたりから 爆発寸前の火薬!がキープされてうねるうねる!
ラスト1分の気持ちよさ。
特にシラフじゃなく、それなりに酔っ払ってから聴くとたまらんぜ。あとライブで聴くとやばいぜ。
 
ローリング・ストーンズのライブで、チャーリーがドラムを叩かなかったことは、「結成以来一度もない」んだけどさ、ひとつ、チャーリーに関するライブの思い出を書かせてくれ。
 
ストーンズは、今までに6回、来日している。
90年、95年、98年、03年、06年、14年だ。
おれが行ったのは、来日4回(ライブ6回、たぶん)。
 
98年、東京ドーム(チャーリーが投げたドラムスティックをおれの目の前のやつがキャッチした!)
2003年 大阪ドーム(後述!)
2006年 名古屋ドーム(日本最終日かつストーンズ史上唯一の名古屋ライブ!)
2014年 東京ドーム(平日のみの3days、「一日も仕事を休まず全部行った」)
 
思い出を語ればキリがないが
1998は3月、大学入学直前だった。
初めてのストーンズでワクワクした。ひとりで行った。
「Memory Motel」という大好きなレア曲が聴けた興奮。
2006は初名古屋、友達や従兄弟と行ったような気がする。
終わった後、おれは何で全国回らなかったんだ!って思った。次来日したら全公演行くと決めた。そしたら8年も来日しなかったんだけど・・・
2014は決意どおり、仕事早めに終わって死にそうな勢いで東京向かってライブ後即帰る、を平日3日やった。ツレと行ったり一人で行ったり。
 
で、2003、大阪。
色んなツレと何人かで行った気がする。
鈍行乗り継いで行ったんじゃねーかな。たしか。
終電間に合わなくなるぞ!って時間なのに
ここで!ライブ途中で帰れるかよ!つって最後まで粘った結果
終電間に合わなくて
金もねーからさ
大阪ドーム近くの、なんか地下道の中で朝まで過ごしたよなー。
寝たり、なぜか空手の練習したり。興奮してたよなー。
途中で暴走族が近くまで来てビビッたり。アングラ暮らし。
 
その大阪ライブで、ミックがメンバー紹介してさ。
ドラムス、チャーリー・ワッツ
つってひと盛り上がりしたあとに
おれが。おれがだよ。
「チャーリー!チャーリー!」
つって手拍子打って、でっけー声でチャーリーコール始めてさ。
大阪の客、ノリがいいから近くからどんどん広がってってさ
ドームいっぱいのチャーリーコールになって。
そしたらチャーリーがドラムソロで応えてくれたんだよね。
 
あれは嬉しかったなぁ。
ドキドキしたけど、コールしてよかった。
チャーリーにとっちゃ知らん話だけど、あのコールはおれが起こしたんだよ。
一方通行だけど、おれからしたら、あんときチャーリーのドラムとつながった気がしたんだよ。
 
おれより38歳も年上のヒーローだからさ
いつかこういうときが来ると、理屈ではわかってた。
でも悲しいよ。
納得できないわけじゃない、でも悲しい。
でも俺は幸せだ。
もうさ、俺はずっと幸せだよ。
高校2年生のときストーンズと出会ってから。
ロックの扉をあなた方が開けてくれたときから。
たぶん、ずっとチャーリーのドラムが鳴ってたんだ。
おれの心臓の鼓動の一部は、たぶんどっかチャーリーの音になってる。
 
だから俺がある限り、鳴り続ける。
あの大阪のあなたのビートが、おれの鼓動になったんだ。
 
安らかに眠ってくれ。
でも、あの世があるなら、そこでのコンサート、楽しみにしてる。
 
Rest in beat.
チャーリー愛してる!!!